
ABOUT LABORATORY GROWN DIAMOND
【ラボ(研究所で)グロウン(育つ)ダイヤモンド】
「ラボグロウン・ダイヤモンド」という単語を聞いたことはありますか?
アテュールでは2022年12月よりラボグロウン・ダイヤモンドを使用していきます。美しい輝きを放つこのダイヤモンドについて知っていただきたいので、ご一読いただけますと幸いです。
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◼️ダイヤモンドとは
ダイヤモンドは炭素からなる鉱物で、炭素同士が特殊な構造で強く結びついています。この構造によって非常に強固な性質を持ち、世界一硬い石であることはよく知られています。
天然ダイヤモンドは数百万年以上の長い年月をかけて、地球の深部(150-200km)で炭素原子が高温で高い圧力のかかる環境で強く結びついたことにより形成される結晶です。
一方、ラボグロウン・ダイヤモンドは高度な科学技術によって、人工的にこの環境を再現することによって誕生しました。
よって、ラボグロウン・ダイヤモンドは物理的、光学的性質が天然ダイヤモンドと同一の物質です。物質的に同一であるため肉眼やルーペで天然かラボグロウンかを見分けることは困難です。また、キュービックジルコニアやモアッサナイトなど、ダイヤモンドの類似品とは全く違う物質となります。
◼️メリット・デメリット
では、それぞれのメリット、デメリットについて触れてみたいと思います。
天然ダイヤモンドの素晴らしさはその希少性にあります。本来、宝石は自然の中で非常に稀な条件のもと生産されるからこそ希少価値があります。地球の奥深くに眠っていた炭素が長い年月をかけてダイヤモンドとなり、発見され、いくつもの時代や国境を越えて自分の元にやってくるというのは非常に神秘的でロマンチックですね。
しかし、天然のダイヤモンドは地球の奥深くに眠っているため、採掘には大規模な環境破壊を伴い、採掘場での低賃金労働や児童労働、人権問題が度々取り沙汰されてきました。このダイヤモンドの採掘を巡りいわゆる「紛争ダイヤモンド」問題が起きていたのもまた事実です。
一方、ラボグロウン・ダイヤモンドは土壌を荒らすこともなく、労働条件に問題のない研究所や工場で生産されています。よって、安定的に供給できる反面、人工的に生産されているラボグロウン・ダイヤモンドは希少性がないという意味では「宝石」に分類されません。しかし、近年ラボグロウン・ダイヤモンドは地球環境、資源に優しく、サステナブルな観点から、エシカル(論理的、環境保全や社会貢献に積極的)な思考を持つ意識の高いセレブリティーが身につけたり、期待の市場として投資したりと注目を集めています。
また、価格の面でもラボグロウン・ダイヤモンドは同等のランク、サイズの天然ダイヤモンドと比べて手に入れやすい価格帯であることも魅力の一つです。
◼️アテュールの製品について
アテュールがなぜラボグロウン・ダイヤモンドでジュエリーを作ることになったのか、ここからは個人の思いを綴らせていただきたいと思います。
私の理念として「上質で洗練されたジュエリーをお客様に提供したい」という思いがあり、そのために毎回その人を美しく、スタイリッシュに見せてくれるデザインを試行錯誤しているのですが、近年の世界情勢を受けて、金やダイヤモンドの仕入れ価格が高騰し、お客様にお届けしたいデザインが提供したい価格で作れなくなってきたという現実に直面しました。また、値上げをすることによってお客様に負担を強いたり、価格が見合わずに廃盤になる商品が増えてきたのも、悩みのタネでした。
そうして悩んでいる時に、兼ねてから気になっていたラボグロウン・ダイヤモンドの生産者様と出会う機会があり、製品を実際に拝見して、まずその美しさに感激しました。そして価格的にもこれ以上値上げをせずにお客様に今までと同じ製品が安定的に提供できると言うこともあり、2022年12月より生産する商品につきましては、ラボグロウン・ダイヤモンドの使用することにいたしました。
天然ダイヤモンドにもラボグロウン・ダイヤモンドにもそれぞれ良さがあります。その違いをよく知り、比較して、その上でご自身のライフスタイルにあったダイヤモンドをお選びいただけたら幸いです。
美しいジュエリーを身につけることで、自分に自信が持てる。
変わらぬこの思いを大切に、これからもジュエリーをお届けしていきます。
atur
天野佐衣子